首にイボができてしまったら、とても気になりますよね。
首は顔と同じで常に露出しているため、人目に付きやすく、第一印象さえも左右してしまうものです。
そんな首イボですが、同じイボでもいくつかの種類があるため、できてしまったらまずは、どのタイプに分類されるイボなのかを把握する必要があります。
首イボの種類と対処法について、これから詳しく見ていきましょう。
【首イボの種類】
首イボは、大きく分けると2種類のイボにわけることができます。
ウィルスが原因となり発症するイボと、老化現象として発症するイボです。
ウィルスが原因となって発症するイボは、その原因であるウィルスが付着することにより感染してしまいますが、反対に老化現象として発症するイボは、ウィルス性ではないため他人にうつることはありません。
≪ウィルス性のイボ≫
いわゆる「うつるイボ」の原因となっているウィルスには、下記のようなものがあります。
- ヒトパピローマウィルス
- 伝染性軟属腫ウィルス
- モルシボックスウィルス
中でも1番多いとされているのが、ヒトパピローマウィルスです。
ヒトパピローマウィルスは「ヒト乳頭腫ウィルス」と呼ばれることもあり、その型の種類が膨大な数ほど存在するため、それぞれ感染した型によって違う症状を引き起こしてしまいます。
型が多いため、感染する原因となる「感染経路」を突き止めることは難しいものです。
≪老化によるイボ≫
老化現象の1つとして首にできたイボは「老人性イボ」と呼ばれ、発症の原因はウィルスではありません。
人間の肌は、約28日周期で細胞が生まれ変わりますが、このサイクルを肌のターンオーバーといいます。
美肌でいるためには、このターンオーバーが正常でなければいけませんが、年齢が上がれば上がるほど、ターンオーバーは乱れがちになります。
古い細胞と新しい細胞の生まれ変わりがうまくいかなくなることで、肌表皮に古い角質が蓄積され、汚れや詰まりとなり、やがてイボとなって出現してしまうのが「老人性イボ」です。
【注意が必要な首イボ】
≪ヒトパピローマウィルス≫
どちらの首イボであっても、首にできてしまったイボは気になって仕方ないものです。
老人性イボならば、しばらく様子を見ても問題ありませんが、ウィルス性のイボは人にうつしてしまう可能性や、自分自身にも広がってしまう可能性があるため、一定の注意が必要となります。
特に多いとされている「ヒトパピローマウィルス」が原因となって発症するイボには、どのようなものがあるでしょうか。
・尋常性疣贅
ウィルス性のイボの中で1番発症しやすいのが、このタイプのイボです。
手足などの四肢に発症する確率が高いイボで、表面にざらつきがあることが特徴でもあります。
・青年性扁平疣贅
若者に多く発症することが特徴的なイボのタイプです。
中年期以降の年代で発症することは少なく、顔にできることが多いため、ニキビと間違われやすいイボでもあります。
・尖圭コンジローマ
性交渉が感染原因となって発症するイボのタイプです。
陰部にできますが、自覚症状が乏しく、気づくのが遅れてしまうため、他人へ感染させてしまう可能性が高いイボです。
≪その他のウィルス≫
・伝染性軟属腫
このタイプに分類されるイボの原因となるウィルスは、伝染性軟属腫ウィルスと呼ばれます。
子どもは肌の機能がまだ未熟であるうえに、感染を予防することに関してもまだまだ意識が希薄であるため注意力が低く、感染を拡大させやすいことも特徴的です。
また、水イボは柔らかく表皮が破れやすいため、ウィルスを拡散させてしまう可能性が高くなります。
【ウィルス性首イボに感染しやすい人】
人間の体には、ウィルスが体内に侵入してきても、排除するための本能が携わっていますが、その機能が正常に働かなければ、当然ながら感染してしまいます。
ウィルス性の首イボに感染しやすい人には、下記のような特徴があります。
・免疫力の低下
ストレスや疲労により体力が弱っていると、免疫力も同様に低下してしまいます。
体内へのウィルスの侵入を許してしまい、撃退することができないため、感染しやすくなります。
・けがなどの傷口がある場合
手足にけがによる傷口があると、ウィルスがそこから侵入しやすくなってしまいます。
また傷口があると、イボの原因となるウィルスだけでなく、様々な雑菌の侵入を許すこととなるため、傷口などは必ず処置が必要です。
・大衆浴場やプール
大衆浴場やプールは、もっともウィルスが感染しやすい場所です。
特に水イボは感染力が強いため、このような公共の場ではすぐに感染してしまいます。
【ウィルス性首イボへの対処法】
ウィルス性の首イボであれば、すぐにでも処置が必要です。
放置しておけば、感染を拡大させ、大変なことになる可能性も出てきます。
当然ながら第三者へ感染させてしまう可能性も高くなります。
首にイボができてしまった時はまず、独断で判断せずにすぐに皮膚科を受診することが大事です。
まずは皮膚科を受診したうえで、ウィルス性イボと老人性イボの診断をつけてもらい、ウィルス性のイボであるという診断が下れば医療機関での治療が必要となるため、そのまま治療に入ります。
皮膚科によるウィルス性首イボの治療方法には、下記のようなものがあります。
・液体窒素治療
ウィルス性のイボに対する最も一般的な治療法です。
超低温の液体窒素をイボにあて、軽く凍傷を起こさせることで、ウィルスを死滅させるという治療方法になります。
急激に冷却され、軽く火傷を負った状態になるため、強い痛みを伴うことが特徴です。
1回だけの処置で感知することは難しく、数回この処置を受けることで、じっくりウィルスを死滅させていきます。
・レーザー治療
医療用レーザーを使い、イボを切除していく方法です。
イボの大きさやタイプに合わせ、「炭酸ガスレーザー」や「YAG(ヤグ)レーザー」などのレーザーを使用して切除していきます。
簡単に施術できるので、とても有効な治療法ですが、保険適用外となるため、少々費用が高いことがデメリットです。
・軟膏
イボに有効なサリチル酸と呼ばれる成分が配合された軟膏や、貼り薬を使用する方法です。
サリチル酸にはイボを柔らかくする作用がある性質を利用したものであり、繰り返し塗布することで、柔らかくなったイボを除去していきます。
簡単に処置できますが、液体窒素やレーザーによる治療と比較すると、効果が低い点がデメリットです。
【ウィルス性首イボの感染予防】
首イボに感染しないためには、感染の原因となるウィルスを体内に侵入させないことです。
ですが、イボの原因となるウィルス以外にも、空気中には無数のウィルスが存在し、それらのウィルスの侵入を100%防ぐことはほぼ不可能でしょう。
大事なことは、ウィルスが侵入しても症状を発症させないことです。
・免疫力のアップ
体内に備わっている免疫機能を正常に機能させることこそが、首イボの感染予防には何よりも効果的です。
生活習慣や食生活を見直し、免疫力を低下させてしまうような習慣を改善しながら、免疫力をアップさせることでも、イボの感染を防ぐことは充分可能です。
・肌の保湿ケア
肌には、ウィルスなどの外敵から肌を守るための機能が備わっていますが、乾燥してしまうとバリアー機能が低下し、雑菌の侵入を許してしまいます。
日ごろから肌の乾燥を避け、しっかり保湿を心がけることでも感染を防ぐことができます。
・傷口などの治療
手足にできた傷口などを放置していても、ウィルスに感染しやすくなります。
それだけではなく、雑菌や汚れが侵入すれば、傷口の症状が悪化してしまうだけです。
傷ができた時にはすぐに処置を施し、清潔を保つように気を付けましょう。"